2023年ドイツ年間ゲーム大賞エキスパート部門受賞作”チャレンジャーズ!”の紹介です。
カードバトルゲームの大会に出場している雰囲気を味わえる変わったコンセプトのゲームです。
箱の中身は初期デッキ、ロボットデッキ、基本都市セット、追加セット、フラッグトークン、ファンチップ、トロフィーチップ、パークシート、カードトレイです。
カード類の説明です。左上が初期デッキでプレイヤ8人分の同じ初期デッキです。中央上がロボットデッキで奇数人数プレイの時に余ったプレイヤが対戦する自動ロボット用のデッキです。右上が基本都市セットで全てのゲームで必ず使用される基本カードです。左下が大会予定表で各プレイヤに1枚ずつ配られどのバトルパークで対戦するか等の情報が描かれています。残り6種類が追加セットデッキで各ゲームではこの中から5種類のカードを選んで使用されます。
左フラッグトークンはバトル中に奪いあうトークンです。中央のファンチップは獲得したファン(勝利点)を表します。右トロフィーチップは各ラウンドの勝利者に与えられます(裏面には勝利点が書かれています)
パークシートはテーブル上に広げられて各プレイヤ同士が対戦するステージとなります。1:1のバトルを行いますので8人プレイ時には4枚のシートが全て使用されます。
カードトレイは補充用山札と捨て札をストックしておく箱です。カードの強さでABCが分けられています。
<ゲームの準備>
①パークシートの準備
参加人数に応じた色のパークシートをテーブルに並べます。それぞれのパークシートはカード3枚分以上のスペースを空ける事が推奨されています。2人プレイ以下では緑のパークシートだけが使用されます。7人以上では緑赤紫黄色のパークシート全てが使用されます。今回は2人プレイでの説明をします、緑のパークシート1枚をテーブルに広げます。
②大会予定表を配る
それぞれの大会予定表カードの右側に数字が書かれています。プレイヤ人数に応じて白く書かれている数字と一致するカードを使用します。2人プレイでは左側の2枚が使用されます。(例:右側のカード3~4人プレイで使用されるカードです)大会予定表には各プレイヤが各ラウンドで戦うパークシートの色や座るサイドや引けるカードが示されています。(下の写真では1ラウンド目が緑のパークシートで、濃い葉っぱ側サイドに座る事が示されています)
③フラッグトークン
各パークシートの色と同じフラッグトークンをパークシートの中央に置きます。
④トロフィーチップ
トロフィーチップを1~7ラウンドの山に分けてシャッフルします。各ラウンド数の山から1枚づつ引き、大きい数字のチップが下になるように積み上げます。一番下が7で一番上が1です。そのセットを各パークシート中央付近のトロフィーの絵が描かれている部分に置きます。
⑤ファンチップ
ファンチップはひとまとめに集めて置きます。
⑥カードトレイ
ABCカードトレイも全員が手の届く位置に置いてください。
⑦カード山札の準備
基本都市セット(建物マークで右下にABCの文字)を取り出し、ABCの種類毎に分けておきます。
追加セット6種類の中から今回使用する5種類を選びます。最初は宇宙を抜いた5種類で遊ぶことが推奨されています。
選んだ5種類の追加セットもABCの種類に分けます。
先の基本都市セットABCと追加セットABCを良く混ぜて山札を作り、カードトレイに置きます。
⑧初期デッキ
各プレイヤは自分の初期デッキカード6枚を受け取ります。自分が受け取っている大会予定表右下のマークと一致する初期デッキカードを受け取ります。(デッキの構成は全プレイヤ同じです)
<ゲームの目的>
予選7ラウンドを戦いポイント上位2位以上を目指します。その後上位2名による決勝戦を行い優勝を目指します。
<ゲームの流れ>
デッキフェイズとマッチフェイズの2フェイズを7回繰り返します。その後上位2名による決勝戦を行います。
<デッキフェイズ>
①対戦するパークへの移動
②カード獲得
③カード除去(任意)
①対戦するパークへの移動
自分の大会予定表を確認し、このラウンドで戦うパークシートの色とサイドを確認して場所を移動します。各ラウンドでの色とマークの濃淡を確認してください。(2人プレイでは同じ相手と同じサイドでの戦いとなるので移動は発生しません)
②カード獲得
自分の大会予定表を確認しこのラウンドで獲得できるカードの種類と枚数を確認します。上の写真の1ラウンド目を見るとAのカードが2枚描かれていますので、Aの山札から合計2枚のカードを獲得する事ができます。(説明用の例:3ラウンド目はAの山札から2枚か、Bの山札から1枚のどちらか一方を選ぶことができます)
1ラウンド目の獲得はA山札からなので、山札から5枚のカードを引きます。
各ラウンドで1回だけカードを引き直すことができます。これは最初でも良いですし、1枚目のカードを獲得した後で残りの4枚を引き直すとこもできます。下の写真では1枚目を獲得して残りの4枚をカードトレイAの捨て札置き場に捨てて、新たに4枚のカードを引き直し2枚目を確保し残りの3枚をカードトレイAの捨て札置き場に捨てたところです。
今の手持ちカードに新たに獲得したカードを加えます。
③カード除去(任意)
もし自分のデッキで不要なカードがあればここで捨てる事が可能です。
以上でデッキフェイズは終了となります。
<マッチフェイズ>
④デッキシャッフルと先攻決定
⑤アタック(交互)
⑥トロフィー獲得(勝利時)
④デッキシャッフルと先攻決定
各プレイヤは自分のデッキをシャッフルして山札とします。
最も数字の大きいラウンドのトロフィーチップを持っているプレイヤが先攻となります。1ラウンド目や同数だった場合はフラッグトークンをコイントスして先攻を決めます。先攻となったプレイヤは自分の山札の一番上のカードをパークシートの上に置き、フラッグトークンをそのカードの上に置きます。(自分がフラッグ保持中となります)
⑤アタック(交互)
相手プレイヤに手番が移ります。カード山札の一番上のカードをパークシートの上にオープンします。カード上部にパワーの値が書かれています。またカード下部にボーナスポイントが書かれている場合もあります。これらの値を全て合計してフラッグ保持中のカードのパワー以上になれば相手を倒してフラッグトークンを奪うことができます。フラッグを奪われたカード達は退場してパークシート左右のベンチスペースに置かれます。各サイドに6席のベンチスペースがあります、同じ名前のカードは1つのベンチスペースにまとめて置かれます。下の写真では先攻プレイヤの「新入り:パワー1」を後攻プレイヤ「犬:パワー3」が倒してフラッグを奪いました。「新入り」はパークシート横のベンチスペースに移動します。
これの相手を倒してフラッグトークンを奪う作業を交代で続けていきます。先攻プレイヤが山札から1枚めくります。「メイクさん:パワー1」は「犬:パワー3」に及びませんでしたので追加のカードをめくる必要があります。
先攻プレイヤは山札から2枚目のカードをめくります。「犬:パワー3」なので「メイクさん」と合計したパワーは4となり、後攻側のパワーを上回りました。
最後に出したカードが一番上に来るようにしてカードを束ねてその上に奪ったフラッグトークンを置きます。後攻プレイヤの「犬」はベンチに移動します。
再び後攻プレイヤの手番となります。山札から「新入り:パワー1」追加で「タレント:パワー2」をめくりました。「犬:パワー3」と同点になったのでフラッグを奪うことができます。
後から出した「タレント」が上になるようにカードを束ねてその上にフラッグトークンを置きます。先攻プレイヤの「メイクさん」と「犬」はベンチに移動します。これで3カ所のベンチが埋まりました。
もう少し続けて説明します。先攻プレイヤがカードをめくります。「新入り:パワー1」でした。ここで先ほどベンチに移動した「メイクさん」の能力が発動します。「メイクさん」がベンチにいる時にはパワー1のカードはアタック中+2の効果を受けます。これにより「新入り」のパワーは3となり後攻側「タレント:パワー2」を倒す事ができます。
フラッグトークンを奪います。後攻側の「タレント」と「新入り」がベンチに移動します。
後攻側がカードをめくります。「ピエロ:パワー1」です。先攻側「メイクさん」の効果はアタック中だけなので「新入り:パワー1」と同点となりフラッグトークンを奪うことができます。
「ピエロ」にも特殊能力があり、フラッグ所持者になったらファン2を得る事ができます。星型のファンチップを2点分受け取ります。これが最終的に勝利点に加算されます。先攻側の「新入り」はベンチに移動しますが、既に「新入り」がいる同じスペースに置かれます。
これを繰り返していきます。最終局面だけ追加で説明します。先攻側「チャンピオン:パワー4」がフラッグトークンを持っています。後攻側の山札は最後の1枚です、既に「チャンピオン」も使用してしまっており絶望的な状況です。
最後の1枚をオープンします。「映画スター:パワー2」です。特殊能力がベンチの「新入り」カードを2枚までデッキの上に置くです。
2枚の「新入り」をデッキ山札に戻し、その2枚を公開します。合計パワーは4となり、相手の「チャンピオン:パワー4」からフラッグトークンを奪えます。
先攻側はもう山札がありません。
⑥トロフィー獲得(勝利時)
勝利条件は2つあります。今回のようにアタック側がフラッグ保持側のパワーに到達する事ができなくなった場合。
もう一つは相手がベンチにカードを置かなければいけない時に既に6カ所が既に埋まっていて、7カ所目以上にカードを置かなければいけない場合です。
勝利したらパークシート中央のトロフィーチップの一番上を受け取ります。裏面に勝利点が書いてありますがまだ誰にも見せてはいけません。
これで1回戦が終了です。2回戦が始まりますのでデッキフェイズから繰り返します。
<決勝とゲームの終了>
第7ラウンド後、各プレイヤは獲得したファンチップとトロフィーチップ裏面の☆数字を合計します。数値が大きい順で1位と2位のプレイヤが決勝戦を行います。同点の場合はトロフィーチップ数の多い方が上位です。それも同点の場合はより高いラウンド番号のトロフィーチップを持っているプレイヤが上位となります。
決勝戦のデッキフェイズでは②カードの獲得はできませんが③カードの除外はする事ができます。1回のマッチフェイズを行い優勝者を決定します。
トレーディングカードゲームで大会に出場する感覚を味わえるコンセプトが新鮮で面白いゲームです。自分の組んだデッキが理想通りに展開されて勝利をつかんだときは非常に気持ちが良いです。このゲームがエキスパート部門ゲーム大賞を受賞した理由がわかります。キャラクタ設定やイラストにクセがあり抵抗を感じられるかたもいるかもしれませんが海外のゲームはこういう物だと悟って遊んでみると良いと思います。対戦中はカードを上からめくるだけでほとんど考える要素は無いのでテンポよくゲームが進むのも良い特徴です。日本語版が発売されて入手もしやすくなっています。機会があればぜひ遊んでみてください。
.